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相続税の申告税額が税理士によって大きく変わる理由は、土地の評価にあります。
相続財産のなかで、土地が占める割合は約40%であり、現金預金の約25%を抑え最も高い割合を占めております。土地の評価はとても難しく、税理士であるからといって正しく評価できるとは限りません。
年間の全ての相続税申告数よりも税理士の人数の方が多いです。相続税の申告を年間十数件する税理士もおりますので、相続税の申告を1年間に一度もしない税理士がたくさんおり、法人税や所得税を専門とする多くの税理士は、一年どころか、かつて一度も相続税の申告をしたことがない、ということになります。
ですから、相続税の申告をしたことがない税理士に難しい土地の評価をお願いすると、誤って申告したり、評価額を高く設定してしまうことになります。
土地評価は、土地の形状や周りの環境、利用状況によって評価額が大きく変わります。ここでは、見落とすと致命的になる「小規模宅地等の特例」と「広大地の評価減」について説明します。
小規模宅地等の特例とは、相続税を計算する際に、相続人が取得した土地のうち一定の面積まで土地の評価額を80%(または50%)減額できるというものです。これは、居住や事業のための土地にも通常の相続税が課税されると、場合によっては納税ができなくなります。遺族がその土地に居住できるように、事業を続けることができるように小規模宅地等の特例が設けられています。
相続人:2名
遺産 預金1億円 自宅敷地300㎡で1億円
遺産を2名で1億円ずつ相続する
・小規模宅地等の特例を適用しなかった場合の相続税額の合計⇒4,600万円
・小規模宅地等の特例を適用した場合の相続税額の合計⇒2,550万円
➡相続税差額 2,050万円(44.6%の減額!)
広大地とは、周辺の標準的な宅地と比較して著しく大きい土地で、一定の条件を満たしている土地をいいます。一定の条件とは、
①開発許可面積以上(目安として三大都市圏では500㎡、それ以外は1,000㎡)である。
②分譲戸建を想定した場合に開発道路が必要な土地である。
③マンションや大規模な工場を建てるのに適していない。
広大地を実際に売却する場合には、道路を通して100㎡や200㎡の大きさにしなければ売却することができず、道路部分は無価値のものとして売買されるので評価減が認められています。
①三大都市圏の住宅地にある500㎡の土地(路線価20万円)の評価
・広大地の評価減を適用しない場合の相続税土地評価額⇒1億円
・広大地の評価減を適用した場合の相続税土地評価額⇒5,750万円
➡評価差額 4,250万円(42.5%の減額!)
②三大都市圏外の住宅地にある1,000㎡の土地(路線価10万円)の評価
・広大地の評価減を適用しない場合の相続税土地評価額⇒1億円
・広大地の評価減を適用した場合の相続税土地評価額⇒5,500万円
➡評価差額 4,500万円(45%の減額!)
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